T 医療法人制度の概要
1 医療法人制度
 医療法人制度の目的は、医療事業の経営主体を法人化することにより、医療機関などの運営に永続性と安定性を付与し、医療を供給する体制の確保を図り、もって国民の健康増進に寄与することにあります。

(1) 医療法人の特敬

 医療の分野では、医療法第7条第5項に規定されるように、営利を目的として病院などを開設しようとする者に対しては、開設許可が与えられないというところに、その本質が象徴的に現れています。
 医療法人は、医療事業の経営を目的とするため、公益を目的とする民法上の「公益法人」とは区別され、また、営利を目的とする商法上の「営利法人」とも区別されますが、社会福祉事業法による社会福祉法人や宗教法人法による宗教法人と同様に、「特別法である医療法に基づいた公益法人」であるといえます。
 医療法人における非営利性は、以下の様々な面において見られます。
 @ 法人の運営によって生じた剰余金の配当を禁止されること
 A 社員は退社、解散時以外での出資金の払戻を禁止されること
 B その他、実質的に利益配当に当たる行為は禁止されること

医療法第54条[剰余金配当の禁止]

医療法人は、剰余金の配当をしてはならない。

(2) 医療法人制度の変遷

 @ 医療法制定(昭和23年)
 A 医療法人制度の導入(昭和25年改正)
 B 医療法人制度の第1次改正(昭和60年改正)
  ・資産要件強化 ・法人組織の強化 ・会計年度 ・指導監督規定の強化
  ・一人医師医療法人制度
 C 医療法人制度の第2次改正(昭和61年改正)
  ・業務の範囲の拡大(第42条)
 D 医療法人制度の第3次改正(平成4年度改正)
  ・付帯業務範囲の拡大(第42条)
  ・決算書類を「収支計算書」から「損益計算書」へ変更
 E 医療法人制度の第4次改正(平成9年12月改正)
  ・ 付帯業務範囲の拡大(第42条)