T 医療法人制度の概要
2 種  類
                                                         
 医療法人における組織の形態としては、「医療法人社団」と「医療法人財団」の2つがあります。さらに、医療法人社団において、「出資割合に応じて持分の定めを有する社団」と「持分の定めを有しない社団」の2種類がありますが、本書では以下、より一般的な形態である「出資持分に関する定めを持つ社団」を前提として、解説を進めます。

(1) 医療法人社団

 複数の出資(現金、不動産、備品など)により成立する法人であり、基本事項は「定款」によって定められます。出資者は「社員」となり、出資割合に応じて出資持分を有しますが、その払戻請求権は退社又は法人の解散時にしか行使することができません。
 なお、社団たる医療法人は、社員が欠亡したときは解散となります。

社  員
 人の集合体である医療法人社団の構成員のこと。設立時の社員は3人以上としてください。設立時の出資者は必ず社員となります。
 なお、出資が社員となる条件ではありませんから、定款の規定に基づき社員総会での承認を得ることにより、出資持分を有しないで法人の社員となることができます。

(2) 医療法人財団

 個人や法人の無償の寄付財産により成立する法人であり、基本事項は「寄附行為」によって定められます。財産提供者(寄付者)は持分を有しません。解散時には、総会により残余の財産の処分方法を決め、知事の認可を受けて財産を処分することになります。

一人医師医療法人

 昭和60年の医療法改正によって、新たに認められた制度。
 従来、医療法人の設立は、病院又は常勤医師3人以上の診療所を開設することが要件であったが、この改正により常勤医師が1人又は2人の診療所にも法人化の道が開かれた。
 この、常勤医師が1人又は2人の診療所を開設する医療法人を「一人医師医療法人」という。一人医師医療法人は、設立認可等の要件が従来の医療法人と比較して緩和されている面があるものの、医療法上の権利義務に関しては、従来の医療法人と異なることはない。